あるおうちのお話。
ちいさいかわいい女の子が住んで居るその家には、大きなおもちゃ箱がありました。その中にはふかふかのうさぎのぬいぐるみが居ます。虹色の、7匹のうさぎ。彼らは夜中に話し出します。
「やっぱり、外に出たい」
そう言ったのは、バラ色のうさぎでした。
うさぎ達は箱の中に入ったまま、この家に来たので外の世界を知りません。窓から見えるしかくい空にずっと、ずうっとあこがれていました。
「でもどうやって?」
葉っぱ色のうさぎが言います。
うさぎ達は人間には話しかけられません。お願いすることはできないのです。
「…むりだよ」
なす色のうさぎはクールに言います。うさぎにも性格があるようです。
「うん、考えたんだけど、ね……」
バラ色のうさぎは自分の耳を引っぱりだしました。
「何をしているの?」
うんうん頑張っているバラ色のうさぎに向って、夜色のうさぎは尋ねました。
「ふんっ!!」
ぶちっ、という音がして、バラ色のうさぎのバラ色の耳は取れてしまいました。
「だいじょうぶ〜?」
みかん色のうさぎは心配そうに、バラ色のうさぎの頭をなでなでしています。
「これで、きっと、治してもらうために外に出してもらえるよ!」
バラ色のうさぎは痛いだろうに、嬉しそうに言いました。
「ぼくが戻ってこなかったら、みんなもやってごらん」
バラ色のうさぎは自ら実験台になったのです。
しかし、うまくいくのでしょうか?
次の日の夜。
「うわ〜ん」
バラ色のうさぎはずっと泣いています。取れてしまった耳は乱暴に(お母さんが不器用なのでしょう)縫いつけられていました。
「ほら、だめだった」
みんな慰めている中、なす色のうさぎだけがそう言いました。
でもみんな知っています。なす色のうさぎがずっと心配していたことを。
窓の外には青い空にはばたく白い鳥が見えます。
「やっぱり、出たかったなぁ…」
そうつぶやくバラ色のうさぎを見て、みんな一生懸命外に出る方法を考えます。
「あ!」
そう言ったのは、月色のうさぎでした。
「ぼく、がんばってみる!」
他のうさぎが『?』と見守っている中、月色のうさぎは窓をよじ登っています。
「危ないよ〜?」
空色のうさぎはのん気に月色のうさぎに声をかけました。
すると…
「うわあっ!」
月色のうさぎはまっさかさま。スタート地点からやり直し、です。
「だいじょうぶ?」
「ん!」
落ちても落ちても月色のうさぎは諦めませんでした。数えること、35回目の挑戦の末、月色のうさぎは見事窓にたどり着きました。
「じゃ、行ってくるね。ぼくが帰ってこなかったら、みんなもおいでよ」
月色のうさぎはそう言うと、窓の外に身を投げました。