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6 お供、集結か?
桃太郎は、一軒の家に通りかかった。
「貴様のせいで大損しちまった。隣の爺さんには小判を掘ったのに、わしには生ゴミだと。何のために隣の爺さんを殺したとおもってるんだ。これじゃ、生ゴミのために殺人者になったっていうのかよ。この犬が、おまえも殺してやる。」
「キャン、キャン。」
男は杵で犬を殺そうとしている。桃太郎は刀を抜いて男の後ろから近づき、その首を斬り落とした。鮮やかな切り口だった。血がかからないようにすばやく逃亡する桃太郎と犬。行き着く先は一軒の洒落た茶店だった。
「おばさん、団子と抹茶。こいつにはミルクを。」
すぐさま持ってこられたミルクを犬に与えた。
「なぁ、犬よ。私と一緒にドデカイことをしてみる気はないか?報酬ははずむぞ、悪い話ではないと思うがな。」
犬は首をかしげ、ミルクを飲みほすとどこかへ行ってしまった。
「ここまで動物の心はすさんでしまったのか。鬼め、許しはしない。必ず滅ぼす。」
鬼に対する復讐を改めて誓い直し、旅立った。それから一度として動物は近づいてこなかった。たった一人の孤独な旅、桃太郎は出会う鬼を片っ端から斬り殺していった。孤独を消すかのように。
そして、目指す『鬼が島』に到着したのだった。
7 疑惑
鬼島は報告書を読んでいた。桃を見失ってから4週間が経っていた。今読んでいるのは「通り魔殺人」の報告書だ。人間の男が無差別に鬼を斬り殺しているというのだった。
「でも父さん、人間がそう簡単に鬼を斬れるの?」
娘の質問はすでに私も考えていた。そしてその答えも、はじきだされていた。
「まさに、人間業じゃないな。」
…恐れていたことが起きるのか。