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がばり。
あたしがおふとんから起きたとき、まだお月さまとお星さまは、きらきらと輝いていた。ちょっと寒い夜だった。
「うー……」
あたしは瞳をねむいねむいさせながら、ゆっくりと立ち上がった。
「おしっこ……」
あたしの両側で挟むように眠っている、おとうさんとおかあさんを踏んづけないように気をつけながら、そろそろと森の奥に歩いていった。
用が済んで、あたしは家に戻ろうと、来た道を引き返していた。
でも。
少しだけ気になって、あたしはお社さんの方を、くるりと向いた。
まだ、ヒト達はいるのかな?
あたしはおかあさんから「行ってはだめ」って言われていたケド。それでも、なんだか気になった。
ちょろっとだけなら、見に行ってもいいよネ?
きっと、だあれもいないよネ?
あたしはそう自分に言いながら、とてとてと、ゆっくりお社さんの方に歩いていった。
少ししてから。
あたしがお社さんの裏に辿り着いた時、そこにはもう、というかやっぱり誰もいなかった。境内には、木で出来た家みたいな、骨組みだけの小屋がたくさんあった。それに少し、神社の中が、いろんなゴミで汚されてしまっているみたい。
「ニンゲン達って、お騒ぎするのに、いっぱいゴミを出すんだネ。
へんなの」
あたしは一人で呟いて、とことこと誰もいない境内を歩いた。少し冷たい空気は身体をぶるっ、てさせたケド、誰も吸っていない空気を胸一杯吸うのは気持ちよかった。
でも、ちょっと退屈。
「おかあさんに言われたんだもの。ちゃんと約束守らなきゃ。
おうちに帰ろ」
誰に言う訳じゃないケド、あたしはそう言ってゆっくり森の方へと歩き出した。
ちらりっ。
「ん?」
少し歩き出してから、あたしは何か見たような気がした。
「なんだろ?」
もうお社には、誰もいないはずなのに。
誰かいたような気がする。
ヒトかな?
でもヒトだったら、近づいちゃダメだ。おとうさんが、ヒトに近づいたら凄くいじめられるって、あたしに言っていたから、見つかったらヒドイ目にあっちゃう。
でも、あたし、何だか。
すごくヒトを見たくなっちゃった。
あたしが見たことも無いような、綺麗な明かりで飾って、楽しそうにみんな笑って、騒いでいて……。
だけど、あたしには友達がいなかった。おとうさんはちょっとコワイけどあったかいし、おかあさんはとっても優しい。
だから、寂しくなかったけど。そうだと思っていたケド。
だけど、ちょっと寂しいみたい。
もし、ニンゲンが本当にあたしをいじめてくるんだったらイヤだけど、あたしと友達になってくれるんだったら、
ちょっとね、嬉しいカナ?
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